共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

ナノバイオ界面の単一分子機能・構造解明と機能創発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
17H02750
体系的課題番号
JP17H02750
配分額
(総額)
18,460,000円
(直接経費)
14,200,000円
(間接経費)
4,260,000円

本研究の目的は、生体分子認識反応ダイナミクスを単一生体分子スケールで分光分析する手法を確立し、分子認識メカニズム(反応時の相互作用サイト、コンフォメーション、分子配向等)の理解の深化を図ることである。
本年度は、昨年度に引き続きラマン散乱増強能が高い金属ナノギャップアンテナ構造の設計・作製とそれらを用いた生体分子分光分析を行った。探針型の金属ナノギャップアンテナ構造に関しては、金属探針と金属基板に用いる金属種と金属膜厚を制御することによって、ナノギャップ間に介在する試料分子のラマン散乱増強度を増大させることに成功した。特に、銀探針と金基板を使用した時に、ラマン散乱励起波長である633nm付近でギャップモードプラズモンが誘起され、それに伴ってナノギャップ間に介在する試料分子(4-アミノチオフェノール)のラマン散乱が1000万倍程度に増強されることがわかった。
さらに、アミノ酸10分子程度から構成されるペプチド分子を金基板表面に吸着させて時間分解ラマンスペクトル測定を行った結果、単一分子検出に起因するスペクトル変化(ラマンバンドの明滅、振動数シフト)が観測され、金属ナノギャップ構造を用いた単一生体分子検出を実現した。
探針型の金ナノアンテナ構造を用いたラマン分光装置の改良も行い、レーザー集光スポット中心に探針位置を1nm以下の精度で長時間(1時間以上)保持する機構を新たに開発し、測定時間が長時間に及ぶ2次元ラマンイメージングを安定的に行うことが可能となった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H02750
ID情報
  • 課題番号 : 17H02750
  • 体系的課題番号 : JP17H02750