共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2022年3月

信用貨幣の生成と進化のメカニズムに関する歴史実証


配分額
(総額)
17,160,000円
(直接経費)
0円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

鎮目雅人編『信用貨幣の生成と展開:近世~現代の歴史実証』の出版に向けて出版社との調整が完了し、執筆者は担当章の執筆を行った。これに加え、研究成果を国内外の学会で発表するとともに、学術雑誌、学術書等に掲載した。主な研究成果の公表は、諸田博昭「戦間期中国の銀行券発行における領用の役割」『社会経済史学』第85巻第2号、高屋定美「ポンドネットワークの盛衰:国際通貨のネットワーク効果、協働効果、履歴効果の観点から」『信用理論研究』第37巻(前田直哉氏との共著)、高槻泰郎「寛政十二年大坂御用金に関する一考察」『史艸』第60巻、鎮目雅人「『お金』の今昔物語」『経済セミナー』2019年10月・11月合併号、などである。この間、黒田明伸はUniversity of Bologna; Academia Sinica, Taipei; National Taiwan University; National Central Library, Taipeiにて、それぞれ招待講演を行った。また、鎮目雅人はthe 12th BETA Workshop in Historical Economics (May 2020, Strasbourg)での報告が採択された(新型コロナウイルス感染症のため延期)。2019年9月に研究集会を開催し、来年度の学術書出版を踏まえた今後の研究の方向性を議論した(2020年3月にも研究集会を開催予定であったが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い中止した)。この間、研究成果公開の一環として、前年度に引き続き早稲田大学リポジトリ上で日本銀行金融研究所貨幣博物館所蔵の藩札・私札の公開を継続し、2020年3月現在で10,111点を公開している。研究目的に沿ったかたちで研究が順調に進捗し、予定された学術書の出版の準備が進捗するとともに、研究成果を活かしたデータベースの公開や海外研究者とのネットワーク構築も着実に進んでいるため。事例研究ならびに国際比較研究については、今年度までに実施した研究成果を学術書として出版する。上記研究成果の出版とあわせてシンポジウムを企画するほか、国内外の学会で研究成果を発表する。2021年7月にパリで開催予定の第19回世界経済史会議での成果発表に向けて、準備を進める。新型コロナウイルス感染症の状況によっては、オンサイトによる国内外でのシンポジウムや学会発表等が延期ないし中止となる可能性があるが、その場合には、オンライン・ツールの活用等により、代替的な発表の機会を求める