論文

査読有り
2018年9月

中高年労働者の体力増進のための予防的リハビリテーションの産業保健への応用

日本職業・災害医学会会誌
  • 久原聡志
  • ,
  • 松垣竜太郎
  • ,
  • 石倉龍太
  • ,
  • 明日徹
  • ,
  • 伊藤英明
  • ,
  • 松嶋康之
  • ,
  • 佐伯覚

66
5
開始ページ
346
終了ページ
352
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本職業・災害医学会

近年、労働人口の高齢化により、特に中高年労働者の就労能力の低下、疾病の多発、労働災害の増加がみられるようになった。加齢と就労の問題の本質は、就労能力と作業負荷量との不均衡であり、この不均衡を是正する対策の一つが、労働者の身体能力の増進を図ることである。三次予防であるリハビリテーション医学は、障害へのアプローチとして固有の治療技術と障害管理技法を有する専門医学であり、一次予防として産業保健領域で実施される運動プログラムとの共通部分が多い。疾病を有したまま復職する労働者が増加していることから、産業保健領域では労働生産性の維持向上を医学的に支援することへの関心が高まってきており、リハビリテーション専門職(リハ専門職)の介入に対する期待も大きい。本邦では労働者の健康の保持・増進のために事業所内での産業医や健康運動指導士による運動介入や食事指導が行われているものの、リハビリテーション科医師や理学療法士などのリハ専門職の関わりは少ない。今回、産業保健領域へのリハ専門職の介入実態を明らかにする目的で、日本リハビリテーション医学会に登録された認定研修施設全数(609施設)を対象とし、対象施設内外における産業保健領域への介入の有無などを調査した。また、疾患発症後も運動療法の継続が重要な治療の一つとなる心疾患患者の退院後復職状況と運動療法継続状況を調査した。産業保健領域でのリハ専門職の介入状況は、診療報酬に反映されず、有効性が浸透していないことから16%と低値であった。心疾患患者の復職後の運動習慣非獲得者は43%であり、新たに運動時間を確保できないといった現状があった。業務時間内に運動を実施できる産業保健領域でのリハ専門職介入の有効性を示していく必要がある。(著者抄録)

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URL
https://search-tp.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2018&ichushi_jid=J03464&link_issn=&doc_id=20180918470005&doc_link_id=1520290882881319296&url=https%3A%2F%2Fcir.nii.ac.jp%2Fcrid%2F1520290882881319296&type=CiNii&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00003_1.gif
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ID情報
  • ISSN : 1345-2592
  • 医中誌Web ID : 2019012871

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