MISC

2018年

2014年長野県北部の地震(神城断層地震)のネット変位量

日本地理学会発表要旨集
  • 松多信尚
  • ,
  • 池口直毅
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  • 池口直毅
  • ,
  • 岡田真介
  • ,
  • 楮原京子
  • ,
  • 石山達也
  • ,
  • 廣内大助

2018
94
開始ページ
117
終了ページ
117
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.14866/ajg.2018a.0_117
出版者・発行元
公益社団法人 日本地理学会

はじめに<br>変動地形は過去に発生した地震を推定し、今後発生する地震を予測する有効なツールである。しかし、変動地形で検知できるのは活断層近傍の短波長の変形であり、それが広域地殻変動や地震時の断層変位とどのような関係なのかは不明である。その要因は、変動地形として保存される地表地震断層と実際揺れとして被害につながる地下での断層の運動との関係が明らかでないこと、GPSなどで観測される地殻の短縮変形量と変動地形から求まる上下変位(横ずれ変位)量とを比較するのに必要な断層の幾何学的形状が十分に明らかでないことがあげられる。そこで、本研究では地震時の地表と地下の断層滑り量を比較しその関係を解明することをめざし、2014 年の神城断層地震における、地表地震断層の傾斜をS波極浅部地下構造探査によって明らかにすることを目的とする。<br>2014年神城断層地震と調査地点<br> 2014年神城断層地震(2014年長野県北部の地震)は糸魚川―静岡構造線活断層系北部を構成する神城断層で11月22日に発生したMw6.2の地震である。本地震では既知の神城断層沿いに地表地震断層が約9㎞にわたって出現した。本調査では地表地震断層を横断する、0.9 mの最大上下変位量であった塩島地区、断層が複数並走する大出南地区、変位量が小さくなる白馬駅東側のウィング21付近の三測線で2017年11月3日から10日にかけて探査を行った。<br>調査手法<br>探査には名大減災センター所有のランドストリーマシステムを用い、同センターおよび名大地震火山研究センター所有のGeoMetrix社製のGEODEを使用した。S波の震源は東大地震研所有のGEOSYM社製の可搬型スィープ震源Elvis Seismic Vibrator(ELVIS)を用いた.使用パラメータは発震が 20~80 Hzで10秒間のスィープで1 m(ウィング21測線のみ発震点間隔2 m)間隔とし.受振は96チャンネルのSHジオフォンを用い50 cm間隔とした.サンプリング間隔は1 msecである.塩島測線は総発震点数が60点,総受振点数が168点,測線長が83.5 m、大出南測線は総発震点数が239点,総受振点数が476点,測線長が237.5 m、ウィング21測線は総発震点数が108点、総受振点数が236点、測線長が117.5 mである.<br>調査結果<br>データ処理は地震研所有の Super-X を用い AGC, Deconvolution,速度解析,NMO, Band-pass filter, Migration, 深度変換という一般的な解析を行った。その結果、深度 40 m 程度までの地下イメージができ、6-10 面程度の反射面が認められた。予察的な解釈では断層の傾斜はいずれも東傾斜な断層と推定でき、地表の変位量分布の地域差よりネットでの変位量分布の地域差は小さいことが<br>わかった。<br>神城断層調査グループ:野田克也(株ジオシス)、高山正教(兵庫教育・研、現蒲生高校)、川上賢太・原田稚子・福井恒平(岡山大・院)、丸山雄大(岡山大・学)、藤井 遥・上田 航・西川智樹・渡辺隆輝(山口大・学)、佐藤比呂志(東大地震研)、渡辺俊樹・鈴木康弘(名大)

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.14866/ajg.2018a.0_117
J-GLOBAL
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201802291487297081
CiNii Research
https://cir.nii.ac.jp/crid/1390282763073374464?lang=ja
URL
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16H03114/
ID情報
  • DOI : 10.14866/ajg.2018a.0_117
  • ISSN : 1345-8329
  • J-Global ID : 201802291487297081
  • CiNii Articles ID : 130007539823
  • CiNii Research ID : 1390282763073374464

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