Research Projects

Apr, 2021 - Mar, 2024

口腔内細菌叢の網羅的解析による口腔粘膜障害への臨床アプローチ

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

Grant number
21K10185
Japan Grant Number (JGN)
JP21K10185
Grant amount
(Total)
4,160,000 Japanese Yen
(Direct funding)
3,200,000 Japanese Yen
(Indirect funding)
960,000 Japanese Yen

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小児がんの治療過程においては、造血幹細胞移植等の化学療法や放射線治療により免疫能が減少し口腔粘膜障害が多発する。また、口腔粘膜障害が消失後も口腔乾燥や粘膜の拘縮、口腔衛生状態の悪化等の原因で重度の齲蝕や歯肉炎を発症するが現在のところ、その原因は明らかとなっていない。本研究では、造血幹細胞移植を受ける小児患者から採取した移植前後の口腔検体を用いて口腔細菌叢における菌の定量化とその構成比、生物学的性状の比較検討ならびに病原タンパクの発現を検討する。
岡山大学病院倫理審査委員会の承認を得て、保護者より同意が得られた造血幹細胞移植を受ける患児から移植前、移植1か月後、移植3か月後の口腔内検体として歯垢と唾液採取を行っている。
現在のところ5名の患児の口腔内検体を採取しており、その内訳は移植3か月後までが3名、移植1か月後までが1名、移植前までが1名である。移植前の時点での平均年齢は8歳0か月(4歳4か月~11歳3か月)であった。移植3か月後までの口腔内検体を採取した3名の患児では口腔レンサ球菌数は経時的に増加が観察され、ミュ-タンスレンサ球菌は2名において移植3か月後でのみ認めた。乳酸桿菌は1名において移植1か月後のみに認められた。さらに分離できた菌を用いて各菌種の16SrRNAを増幅する特異的なプライマーを用いて、菌種の同定を行ったところ、歯周病病原細菌については移植前で、Capnocytophaga ochracea, Prevotella nigrescens, Campirobactr rectusを認め、移植1か月後にCapnocytophaga ochracea, Prevotella nigrescens 検出された。今後は、これらの菌についての病原性を検討する予定である。

Link information
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K10185
ID information
  • Grant number : 21K10185
  • Japan Grant Number (JGN) : JP21K10185