Works(作品等)

2017年9月

猿田彦の舞における拍子方の相互行為分析: 野沢温泉湯澤神社例祭の事例から

  • 寺岡 丈博
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  • 伝 康晴
  • ,
  • 榎本 美香

作品分類
その他
発表場所
日本認知科学会第34回大会論文集

本研究では、燈籠祭りと本祭の両方で行われる神楽、猿田彦の舞について分析を行う。猿田彦の舞は、宵祭では燈籠行列の道中で4回、本祭では湯澤神社で1回の計5回行われる。1回の舞につき、猿田彦命が4種類の舞(手剣舞,剣舞,刀舞,松明舞)を行い、最後に松明で注連縄に火を点けて刀で切る(シメキリ)。舞の型や囃子の旋律・拍子はいずれも決まっている。しかし、舞方の状況(「刀が腰に差さらない」,「松明の火が消える」など)や拍子の速さによって時間的には毎回異なっている。それにも関わらず,囃子と舞がずれて終わることが一切ない。これは、これは返し直前の音の伸ばしに対して。囃子方間で拍数を共有しているためである。さらに返し末尾についても笛と太鼓が一致していたことから、返しの入りの他に区間内でも囃子方間で相互調整が行われているといえる。