認知症とともに生きる人々の権利を尊重し、本人参加型の社会環境のイノベーションを促進することは、Dementia Friendly Communities(DFCs)に向けた地域づくりの根幹である。われわれは、東京都板橋区特定地区に在住する70歳以上高齢者7,614人を対象とした生活実態調査を実施し、研究フィールド内に認知症支援のための地域拠点「高島平ココからステーション」を開設した。ここでは、認知症カフェや専門職による相談事業を基軸にして、スコットランドの「認知症の人々とケアラーのための権利憲章」に示されるPANEL原則を基本理念に考案された事業プログラムを稼働させている。本報告では、本事業プログラムの枠組みと活動状況を記述するとともに、大都市におけるDFCsの創出に向けた取り組みについて考察する。(著者抄録)