共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

加齢や生活習慣による腎障害の病態解明に資する危険因子、生体マーカーの包括的検討

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K11599
体系的課題番号
JP20K11599
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

慢性腎臓病(CKD)は、予後、QOL、医療費の改善の必要性から、世界的に大きな関心事となっており、早期予防が必要である。加齢や生活習慣に起因する腎機能障害の早期発見のための新たな手段として、腎障害の発症・進展を早期に予測しうる予測モデルとリスクシミュレータの開発を研究の目的の一つとしている。このため、腎機能障害進展予防や心血管イベント発症抑制に早期から有用なリスク因子を同定するため、健常者を含む特定健康診査の過去7年分のデータを用いたリアルワールドにおける総合的な後方視的検討を行い、早期腎機能障害の予測危険因子を同定した。
特定健康診査を受診した1585名の同一受診者を対象とし、主要評価項目として、血清クレアチニン値の倍増、推定糸球体濾過量(eGFR)eGFR 30%以上の低下、ii) 尿中アルブミン 30 mg/g・Cre以上の増加を複合エンドポイントとし、リスク因子の解析を行った。
単変量解析で有意差を認めリスク因子として抽出され項目に関して多変量解析を実施したところ、年齢、男性、遅い夕食(オッズ比[95%信頼区間]:1.40[1.04-1.88]、P=0.027)が腎機能障害の進行と有意に関連していた。
意義として、遅い夕食は、進行前の早期の腎機能障害の予測危険因子である。腎機能障害が明らかになる前からCKDへの進行を予防するために、食事のタイミングに注意を向けることがより効果的であると考えられると考えられた。現在論文投稿中である。この結果をもとに腎障害の発症・進展を早期に予測しうる予測モデルとリスクシミュレータの開発を進めている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K11599
ID情報
  • 課題番号 : 20K11599
  • 体系的課題番号 : JP20K11599