共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2020年3月

ダイバータ用耐照射性銅合金の創製

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
16H02443
体系的課題番号
JP16H02443
配分額
(総額)
39,520,000円
(直接経費)
30,400,000円
(間接経費)
9,120,000円

水冷型ボールミルを用いて作製したCu-Y2O3系ODS銅合金の優れた強度特性および熱伝導特性の微細組織学的要因を明らかにすることができた。特に、微細結晶粒組織の形成によって、強度特性と熱伝導特性のトレードオフ関係を克服できる可能性が示唆されたことによって、今後の合金開発の指針が得られたことは大きな成果である。また、マイクロピラー圧縮試験によって、単結晶銅からCu-Y2O3系ODS銅合金の強度特性におけるサイズ効果を明らかにすることができたので、今後は耐照射性評価法として活用できるようになったことも特筆すべき成果である。(笠田)
強度と延性を両立させたCu-ODSの作製を目指した研究を発展させ、室温で80%の冷間圧延とその後の800 ℃×30分の再結晶熱処理により、Bi-modalな結晶粒サイズ分布を有するCu-ODSの作製に成功し、室温において80%冷間圧延加工時と同等の強度(約500MPa)で優れた延性(19%破断伸び)を達成した。(鵜飼、大野)
メカニカルアロイング(MA)-高温静水圧プレス(HIP)法を用いた分散強化法の新たな段階として、MA中における強化粒子増加を目的とした添加技術を提案した。この添加法はMAの途中に、別の化合物(酸化銅:CuO)を添加するというこれまでに例のない手法である。本研究では、この手法を用い試作した材料の機械的特性をはじめ、焼結前の合金化粉の詳細なデータを採取することにより、新しいCuO添加法が強化粒子(酸化物)増加に及ぼす影響を明らかにした。 (菱沼、能登、室賀)
このように、平成30年度は銅合金の製作法の高度化、製作後の加工・熱処理の最適化、強度特性、機能特性と微細組織の相関を明らかにすることができ、最終年の技術統合に向けて大きな進歩があった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16H02443
ID情報
  • 課題番号 : 16H02443
  • 体系的課題番号 : JP16H02443

この研究課題の成果一覧

講演・口頭発表等

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メディア報道

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