講演・口頭発表等

格納容器及び原子炉建屋内におけるエアロゾル粒子沈着量評価手法の開発,7; 狭隘流路におけるエアロゾル粒子挙動の可視化計測

日本原子力学会2019年秋の大会
  • 上澤 伸一郎
  • ,
  • 宮原 直哉*
  • ,
  • 堀口 直樹
  • ,
  • 吉田 啓之
  • ,
  • 逢坂 正彦

開催年月日
2019年9月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
富山
国・地域
日本

格納容器及び原子炉建屋内エアロゾル粒子沈着量が、事故時の環境への放射性エアロゾル粒子放出量に影響すると考えられていることから、CFD解析手法を用いた格納容器及び原子炉建屋内におけるエアロゾル粒子沈着量評価手法の開発を進めている。本手法では、高空間解像度が要求される壁近傍や狭隘部等に対して、低空間解像度での粒子沈着挙動等の判定を可能とするため、実験で得られた知見に基づいた判定式及びDF(捕集係数)換算式を開発し導入する。これまで、壁面における粒子挙動を明らかにするために壁面近傍の粒子挙動の直接観察を実施し、沈着や跳ね返り等の挙動がストークス数に依存することを明らかにした。本報では、エルボを持つ狭隘流路のDF換算式を開発するために、狭隘流路内エアロゾル粒子挙動可視化試験装置を製作し、PIVによる狭隘流路内の流速分布計測を実施した。試験装置は、エアロゾル発生装置、狭隘流路テスト部、差圧計及び高速度ビデオカメラで構成されている。狭隘流路の断面形状は矩形であり、寸法は2mm$\times$100mmである。狭隘流路の全長は55mmで、入口より41mmの位置に90$^{\circ}$エルボがある。流路内をカメラで撮影するために、材質は透明樹脂で3Dプリンタにより製作した。狭隘流路上部よりシートレーザーを照射し、側面から高速度ビデオカメラでトレーサー(オイルミスト)を撮影することにより、狭隘部の流速分布を取得した。流動条件として、狭隘流路入口と出口の差圧が1Pa及び10Paの条件で試験を実施した。1Paの条件では、上流から下流にかけて比較的一様な流動場が確認された。その一方で、10Paの条件では、エルボ外周側での渦や、エルボ内周側及びその下流での逆流領域の形成されており、狭隘流路入口出口の差圧の違いにより、流速分布は定性的に異なることが確認された。今後、エアロゾル粒子の直接観察も実施して、狭隘流路における粒子の挙動を明らかにし、DF換算式の開発を進めて本解析手法への組み込みを実施する。

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