＜Points＞▼さまざまな疾病において、持続的な痛みの残存がそれらの病状を悪化させることが立証されている。▼「痛みは我慢するものである」といった"誤った見解"は、痛み伝達の包括的な生理機構について理解が深まっていないことから生じている。▼炎症・組織損傷に伴う知覚神経や自律神経の活動は、免疫細胞とも積極的に連動することが最近の研究で明確になってきている。▼知覚神経の自由終末における軸索反射は、近傍の微小環境において、炎症・免疫応答を仲介するばかりではなく、がん細胞との相互作用にも利用されている。▼がん病態を深く理解するためには、神経細胞-免疫細胞-がん細胞などの異種細胞連関の解析が必要になる。(著者抄録)