2015年3月
東京近郊の森林における高窒素沈着下の土壌窒素の形態変化について
東京大学農学部演習林報告
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- 巻
- 号
- 132
- 開始ページ
- 17
- 終了ページ
- 34
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
大気沈着による窒素の負荷が過剰な森林における土壌中の窒素ダイナミクスの実態を明らかにするために,東京の都市近郊に位置する東京大学田無演習林内のスギ林分(Plot A)とクヌギ林分(Plot B)において,植物の成長期における有機物層,鉱質土層表層部の無機態窒素(NO3-,NH4+)現存量,総窒素無機化・硝化速度を測定した。両方の林分において,無機態の窒素濃度(10-120 mg N (kg dry soil)-1)は有機物層,鉱質土層表層部で,日本の森林における平均的な値より顕著に高かった。総硝化速度も(3-26 mg N (kg dry soil)-1 day-1),両林分において我が国でこれまでに報告されている事例に比べて高かったが,総NO3-不動化速度はPlot B(3-78 mg N (kg dry soil)-1 day-1)において,Plot A(3-17 mg N (kg dry soil)-1 day-1)よりも顕著に高かった。これらのことは,先行の調査結果でPlot BのA層における土壌水中のNO3-の濃度がその上層に比べて低下し,Plot Aではその傾向が見られない現象を説明するものであった。日本の中央部に位置する桐生水文試験地のような窒素沈着量が少ないサイトとの比較から,反応性の窒素沈着が多いことが,NH4+の生成-不動化が支配的なシステムから,それにNO3-の生成-不動化システムが付加されたシステムへの移行を生じさせる重要な要因であることが示唆された。
- リンク情報
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- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/220000148015
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN00162451
- URL
- https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010891529 本文へのリンクあり
- ID情報
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- ISSN : 0371-6007
- CiNii Articles ID : 220000148015
- CiNii Books ID : AN00162451