MA核変換を目的とした加速器駆動未臨界システムの概念検討,3; 未臨界度調整機構の検討
日本原子力学会2015年秋の大会
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- 開催年月日
- 2015年9月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 静岡
- 国・地域
- 日本
原子力機構で検討している加速器駆動システム(ADS)は、800MW熱出力で1サイクル600日間の運転を想定している。この間、炉心の実効増倍率(k-eff)は0.97から0.95程度まで減少するため、炉心出力を一定に保つために、陽子ビームの出力を運転開始時の10mAから20mA程度まで増やす必要がある。ビーム出力の増加はビーム窓に大きな負担を与えることから、燃焼中のk-effの減少を抑え、陽子ビーム出力の増加を抑えることが求められている。本研究では、その対策として、制御棒や可燃性毒物による未臨界度調整機構の概念検討を行った。本検討では、制御棒(B$_{4}$C, Ta)を用いた炉心と可燃性毒物(Gd-Zr-H)の集合体(BP集合体)を装荷した炉心の2種類について、新たに整備した核解析コードADS3Dを用いて解析を行った。いずれの炉心においても、従来のADS炉心と比べて燃焼末期でのk-effが大きくなったことで、従来の最大陽子ビーム電流値20mAに対し、制御棒を用いた概念では10mA、可燃性毒物を用いた概念では15mAまで低減できる見込みを得た。また、炉心別に得失評価を行った結果、制御棒を用いた概念は、未臨界度調整の精度がよく、可燃性毒物を用いた概念は、装荷するBP集合体を燃料集合体と同様に扱うことが可能であり、運用, コスト, メンテナンスの面で負担が少ないことが示された。