2013年12月
根と溶存有機炭素が深層土壌中の炭素動態に及ぼす影響; モデルによる評価
Journal of Geophysical Research; Biogeosciences
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- 巻
- 118
- 号
- 4
- 開始ページ
- 1646
- 終了ページ
- 1659
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.1002/2013JG002379
深層土壌は土壌有機炭素(SOC)の半分以上を貯留していると見積もられている。しかし深層SOCの供給源・動態は不明な点が多い。根枯死によるC入力・溶存有機炭素(DOC)輸送が深層SOCの供給源として着目されてきた。本研究はこれら供給源及び関連する土壌中過程が深層SOC動態に及ぼす影響をモデルを用いて評価した。モデルは微生物分解に伴うSOCの消失、SOCとDOCの分配及び土壌中水輸送に伴うDOC輸送を分解性の異なる3つの炭素プール(各々分解の時間スケールとして年, 10年, 1000年程度を考慮)に対して考慮した。根の分布が異なる陸面生態系を模擬した数値実験により、全SOCのうち相当量(36-78\%)が深層(表層30cm以深)に貯留され得ること及び深層SOCの大部分(39-73\%)が10年あるいはそれ未満の時間スケールで回転しうることが示された。DOC輸送はCを深層へ供給する主要な過程であることが示され、その結果土壌中SOC分布は供給源である根の分布よりも深い分布となった。これらの結果は、表層のみに着目した従来研究では10年スケールで回転するSOCの貯留量、それゆえ土壌中炭素の気候変動、土地利用変化等に対する応答を過小評価し得ることを示すものである。
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- ID情報
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- DOI : 10.1002/2013JG002379
- ISSN : 2169-8953
- eISSN : 2169-8961
- Web of Science ID : WOS:000329871400026