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2020年7月

【十二指腸はこう診る】総論 十二指腸の正常組織構築と十二指腸病変の病理

消化器内視鏡
  • 石田 和之
  • ,
  • 永島 一憲
  • ,
  • 中里 宜正
  • ,
  • 大日方 謙介
  • ,
  • 大和田 温子
  • ,
  • 金子 有子
  • ,
  • 郷田 憲一
  • ,
  • 入澤 篤志
  • ,
  • 菅井 有

32
7
開始ページ
941
終了ページ
952
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)東京医学社

十二指腸の正常組織構築と十二指腸病変の病理組織像を解説する。十二指腸非乳頭部病変と乳頭部病変は、異なる疾患群として理解する必要がある。非乳頭部腺腫および腺癌は十二指腸に発生する限局性腫瘍性病変で、いずれも腸型と胃型に分類され、それぞれ臨床病理学的、分子生物学的特徴を有している。非乳頭部の腫瘍様病変では、異所性胃粘膜と胃上皮化生が胃型腫瘍の発生母地と考えられており、Brunner腺過形成および過誤腫の概念は整理する必要がある。一方、乳頭部にもさまざまな病変が発生し、特に腺癌は小腸のなかで乳頭部に最も好発する。乳頭部腺癌は腸型と胆膵型に分類されるが、多彩な組織像から混合型の管状腺癌と分類せざるをえない例が多く認められる。乳頭部腫瘍の病理診断は、肉眼所見と組織所見にもとづいて腫瘍の発生母地や分化方向を考慮し行われるべきであり、適切な臨床的取り扱いにつなげることが重要である。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0915-3217
  • 医中誌Web ID : U731210003

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