2001年 - 2003年
半導体超格子を用いたコヒーレントフォノン共鳴トンネルデバイスの設計
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(C)) 基盤研究(C)
- 課題番号
- 13650001
- 体系的課題番号
- JP13650001
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
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- (総額)
- 2,500,000円
- (直接経費)
- 2,500,000円
- (間接経費)
- 0円
- 資金種別
- 競争的資金
フォノンを制御するデバイスを設計するための基礎を与えることを目標に、フォノンの共鳴トンネル効果が生じる2重障壁系(2つの超格子でバルク層を挟んだ系)を取り上げ、透過率、反射率の計算をはじめとする理論的な解析を行った。まず、界面に垂直方向の波数ベクトルを持つフォノンの共鳴周波数および局在定数のexplicitな表式を導出することに成功した。この公式はフォノンデバイスを設計する際に有用だけでなく、電子フォノン相互作用を取り扱う際にも役に立つことが期待される。さらに、界面に対して斜めの波数ベクトルをもつフォノンの解析を数値計算的手法により行った。この場合、周波数ギャップは、対応するブラッグ反射の型(すなわち、モード変換を伴うブラッグ反射がおきるか、モード変換を伴わないブラッグ反射が起きるか)に応じて分類できる。本研究では、定性的に異なる型の周波数ギャップ中に生じる局在モードの違いを調べ、それぞれの局在モードを介して生じるコヒーレントフォノンの共鳴トンネル効果の特徴を明らかにした。特に、表面を有する超格子系において特異な完全共鳴反射が生じることを理論的に示し、その物理的な説明を与えた。また、基板や検出層と有限周期超格子との界面に生じる局在振動モードの特徴を表面局在モードとの関連性に注意して調べ、接合された固体の音響インピーダンスと超格子の周期数がある関係を満たす場合、表面局在モードが界面局在モードとして生き残り、そのモードを介した興味深い共鳴透過が生じることが示された。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 13650001
- 体系的課題番号 : JP13650001