2019年4月 - 2023年3月
戦略的情報開示が資本市場に及ぼす影響についての総合研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本研究の目的は,企業による戦略的情報開示の実態を調査し,それが資本市場に与える影響を広く検証することである.近年,企業と投資家との建設的な対話を促進するため,わが国のディスクロージャー制度を巡り改革が進められている.いくつかある論点のうち,本研究は決算短信による情報開示のタイミングに着目し,4つの研究課題に取り組む.そのうち,2021年度は企業の情報開示タイミングに関するアーカイバル研究を実施実施した(調書の研究課題④).
研究成果についてはワーキングペーパーにまとめ,2022年度の学術誌掲載を目指している.本ワーキングペーパーの要旨は以下のとおりである.
「証券取引所の取組みや政府主導のディスクロージャー制度改革のもと、日本企業には決算発表タイミングの早期化が要求されてきた。しかしながら、海外の先行研究によれば、決算発表タイミングに関して固有の戦略を有して行動する企業が一定割合いることが報告されている。本研究は日本企業の決算発表タイミングを対象に、(1)複数の指標(日数や曜日など)から企業のディスクロージャー戦略の有無やパターンを識別特定し、(2)企業が戦略パターンを変更する場合には決算発表タイミングがどのように変化するのかを実態分析した。決算発表タイミングの長短を日数だけでなく、複数の戦略パターンから識別特定しようとする本稿の試みは将来、早期化に対する市場反応を検証する際、さらには早期化と簡素化、情報の質、正確性といった各要素との間で生じるトレードオフの問題を検証する際に、重要な基礎を与えるものであると考える。」
研究成果についてはワーキングペーパーにまとめ,2022年度の学術誌掲載を目指している.本ワーキングペーパーの要旨は以下のとおりである.
「証券取引所の取組みや政府主導のディスクロージャー制度改革のもと、日本企業には決算発表タイミングの早期化が要求されてきた。しかしながら、海外の先行研究によれば、決算発表タイミングに関して固有の戦略を有して行動する企業が一定割合いることが報告されている。本研究は日本企業の決算発表タイミングを対象に、(1)複数の指標(日数や曜日など)から企業のディスクロージャー戦略の有無やパターンを識別特定し、(2)企業が戦略パターンを変更する場合には決算発表タイミングがどのように変化するのかを実態分析した。決算発表タイミングの長短を日数だけでなく、複数の戦略パターンから識別特定しようとする本稿の試みは将来、早期化に対する市場反応を検証する際、さらには早期化と簡素化、情報の質、正確性といった各要素との間で生じるトレードオフの問題を検証する際に、重要な基礎を与えるものであると考える。」
- ID情報
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- 課題番号 : 19H01552
- 体系的課題番号 : JP19H01552