共同研究・競争的資金等の研究課題

2006年 - 2007年

被服心理学的手法を用いた紬織物デザインの研究

経常研究  

資金種別
競争的資金

結城紬の基本的な形状5種類と文様4種類を組み合わせた図形20種類と,結城紬をイメージする形容詞対13組を
選定して,生産者・消費者等を対象とした紬織物デザインに対する嗜好印象の測定を行ったところ,生産者と消費者
では,紬織物デザインの形状や文様について差があることがわかった。さらに,生産者層の測定結果の因子分析によ
り,形容詞対は,全体的な印象,デザインの好み,伝統性,形状の明確性の4因子に意味づけて分類できた。
評価者は基本図形の形状で全体的な印象を判断する傾向が見られるものの,内部文様の影響や伝統性については
生産者・大学生・消費者で判断に差がみられた。
また,生産者層は形状で全体的な印象を把握した上で,内部文様の特徴に着目してデザインに対する好みを判断し
ているのに対して,大学生層は形状よりも内部文様の違いによって評価する傾向がみられた。着付教室受講者層(消
費者)は,形状と文様を総合的にみて伝統性を判断している。