2016年
伊勢湾台風被害43年が経過した縞枯れ林におけるバイオマスの回復
日本森林学会大会発表データベース
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- 巻
- 127
- 号
- 開始ページ
- 543
- 終了ページ
- 543
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11519/jfsc.127.0_543
- 出版者・発行元
- 日本森林学会
台風攪乱後の縞枯れ林の回復過程を明らかにするため、1959年の台風で攪乱を受けた北八ヶ岳縞枯山の発達段階の異なる3地点(M:成熟林、I:中間林、Y:若木林)において、伐倒調査と樹幹解析、2001年から2008年にかけての毎木調査により、攪乱後約40年間における現存量の変化を推定した。各地点には本数密度の異なる2調査区(高密度区、低密度区)を設置し、台風攪乱時の林齢と更新木の成立密度の違いに対する現存量変化の違いについて検討した。結果、3地点には発達段階に対応した林齢の違いがあったが、MとIにおいては風倒後の成長経過は同様のパターンを示し、林分現存量もほぼ等しかった。すなわち、Mにおいては台風攪乱時に林床にあった前生稚樹が主に現在の林冠を形成しているのに対し、Iの林冠木は攪乱後に侵入した後生稚樹が成長したものと考えられた。稚樹の不均質な定着によって生じたと考えられる低密度区の成立本数は、M、Iともに高密度区の5割程度であるが、2002年時点においても林分当たりの現存量には明かな差がみられた。縞枯れ林における台風攪乱後の現存量の回復過程は、林分の発達段階、前生稚樹の有無、更新木の成立密度などによって異なると考えられた。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11519/jfsc.127.0_543
- CiNii Articles ID : 130005166765