2016年12月
野生鳥獣肉(ジビエ)を介した肺吸虫症の感染リスク
Clinical Parasitology
- ,
- ,
- ,
- ,
- ,
- 巻
- 27
- 号
- 1
- 開始ページ
- 40
- 終了ページ
- 42
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 日本臨床寄生虫学会
鹿児島県の肺吸虫症流行地で食用に捕獲したシカ100頭100検体とイノシシ30頭30検体を用い、ウェステルマン肺吸虫の寄生状況を調査した。検査は遊出法で幼若虫の検出を試みた。その結果、シカでは1検体から2隻、イノシシは9検体が陽性で1検体当たり平均2.4隻(最大8隻)の肺吸虫の幼若虫を検出した。遺伝子解析より、全ての虫体がウェステルマン肺吸虫の3倍体型と同定された。今回の検討により、シカ肉もイノシシ肉と同様に人体肺吸虫症の感染源となることが、寄生虫学的に初めて証明された。以上のことから、ジビエを介した肺吸虫の感染予防には冷凍や十分な加熱による喫食をするように注意喚起が必要であると考えられた。
- ID情報
-
- ISSN : 1341-5190
- 医中誌Web ID : 2017213796