MISC

2015年12月

我が国で発生する肺吸虫症例に認めた症状と検査材料 症例報告からの解析

Clinical Parasitology
  • 杉山 広
  • ,
  • 柴田 勝優
  • ,
  • 川上 泰
  • ,
  • 賀川 千里
  • ,
  • 森嶋 康之
  • ,
  • 山崎 浩
  • ,
  • 大前 比呂思

26
1
開始ページ
65
終了ページ
67
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本臨床寄生虫学会

肺吸虫症例に認めた症状と検査材料について症例報告から解析した。肺吸虫及び肺吸虫症をキーワードとして医中誌Webオンライン検索を行い、約20年間に報告された一次資料261報から488例を抽出した。消化器症状、神経症状、皮膚症状を呈した肺外肺吸虫症の割合は原因種を問わず1割程度であった。原因種を問わず7割を超える症例が胸部肺吸虫症として分類された。ウェステルマン肺吸虫感染では喀痰を主徴とする割合が過半数を占め、宮崎肺吸虫感染の約2倍となった。宮崎肺吸虫感染では胸痛を主徴とする割合がほぼ半数を占め、ウェステルマン肺吸虫感染の約2倍となった。ウェステルマン肺吸虫症例の4割近くで喀痰中に虫卵を認めたが、宮崎肺吸虫感染では5%以下に留まった。血清診断で確定した症例は宮崎肺吸虫感染では9割近くに達し、ウェステルマン肺吸虫感染でも半数を超えた。ウェステルマン肺吸虫症例ではイノシシ肉を感染源とするものが淡水産カニよりも多く、宮崎肺吸虫症例では殆どが淡水産カニであった。

ID情報
  • ISSN : 1341-5190
  • 医中誌Web ID : 2016219992

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