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2009年10月

痛みの病態生理学(第22回) 臨床痛の要因分析 三叉神経領域の病態生理

理学療法
  • 瀬尾 憲司

26
10
開始ページ
1252
終了ページ
1262
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)メディカルプレス

1.顎顔面領域の痛覚は三叉神経によって支配されている。同神経の侵害情報は、延髄脊髄路核尾側亜核で二次ニューロンへ中継され、腹側三叉神経脊髄路を通って視床から辺縁皮質または第一次体性感覚野へ送られる。脊髄路核尾側亜核は脊髄後角と同様の層状構造を持ち、その第2層は痛覚伝達の変調に関与している。2.顔面領域の広範囲の知覚を支配する三叉神経は、中枢側での神経終末が脊髄路核内で二次ニューロンに収束する。また三叉神経節では細胞間で情報伝達が行われる。これらが上顎または下顎に生じた痛みの空間的弁別能や関連痛発生に関連すると考えられている。3.三叉神経終末に加えられた侵害刺激は反射性に咬筋、顎二腹筋、頸部筋群の収縮を引き起こし、さらに中枢の持続性興奮を誘発する。これは三叉神経領域の痛み発生のメカニズムにも関与している可能性がある。4.顎顔面領域の痛みは会話・摂食などの日常生活に影響を与え、精神・心理的要因がその発症または病状の進行にも大きく関わっている。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0910-0059
  • 医中誌Web ID : 2010025035

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