2006年
HusserlのBernau時間論についてⅥ - Minkowskiの『生きられる時間』について -
大阪教育大学大阪教育大学紀要 第Ⅳ部門
- 巻
- 54
- 号
- 2
- 開始ページ
- 75
- 終了ページ
- 94
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 大阪教育大学
本報では第V報[7]のつづきとして,精神障害を時間論の観点から論じた精神医学者として著名なMinkowski, E.の時間論について,とくに精神障害を時間論の観点よりのべた『生きられる時間』[2]にかかれていることについてくわしくのべる。MinkowskiはBergson, H.の影響をうけて,その時間論は宇宙全体の生成から考える。未来へ向かう生成を根本にすえる。宇宙全体の生成を「生の跳躍」というが,個人の生成を「人格的跳躍」という。宇宙の生成と個人の生成とのずれを,「現実との生ける接触の喪失」としてとらえる。未来に属する概念として,活動性,期待,欲望,希望,祈り,倫理的行為の追求がある。過去はあまりくわしくなく,思い出,後悔,惜念,忘却がのべられる。これらの概念について解説した。
- リンク情報
- ID情報
-
- ISSN : 0389-3472
- CiNii Articles ID : 110004867725
- CiNii Books ID : AN00028222