2008年8月
マクロファージスカベンジャー受容体(SR-A)は炎症を制御することにより糖尿病性腎症を抑制する
岡山医学会雑誌
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- 巻
- 120
- 号
- 2
- 開始ページ
- 143
- 終了ページ
- 147
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.4044/joma.120.143
- 出版者・発行元
- 岡山医学会
SR-Aノックアウトマウスと遺伝的バックグラウンドの等しい野生型マウスを用い、ストレプトゾトシンで糖尿病を誘発し、6ヵ月間観察した。糖尿病SR-Aノックアウトマウス(A群)ではアルブミン尿は経時的に増加したが、糖尿病野生型マウス(B群)では増加が緩やかで、3、6ヵ月後にはA群より有意にアルブミン尿が抑制されていた。組織学的検討では、A群で観察された糸球体肥大と細胞外マトリックスの増加、マクロファージの糸球体および間質への浸潤、腎組織でのTGF-βとIV型コラーゲンの発現亢進は、B群では抑制されていた。B群において腎組織へのマクロファージの浸潤抑制が起こったメカニズムを検討するため、抗SR-A抗体を用いてマクロファージの接着実験を行った。その結果、SR-Aは内皮細胞とマクロファージの接着ではなく、IV型コラーゲンなどの細胞外マトリックスとの接着に関与してることが示唆された。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.4044/joma.120.143
- ISSN : 0030-1558
- eISSN : 1882-4528
- 医中誌Web ID : 2008365206
- CiNii Articles ID : 120002310243
- CiNii Books ID : AN00032489