2013年
土壌汚染地域における長期休耕に影響を与える要因:-台湾彰化県北部を事例として-
農村計画学会誌
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- 巻
- 32
- 号
- 0
- 開始ページ
- 233
- 終了ページ
- 238
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.2750/arp.32.233
- 出版者・発行元
- 農村計画学会
本研究は,土壌汚染が多く見られる地域で農業を営む農家を対象としたアンケート調査を通じて,土壌汚染対策事業後の長期休耕に影響を与える要因の解明と解決策の提言を目的とする。前述のように,農地の長期休耕の要因については様々な要因が知られているが,土壌汚染地帯に特有の要因は十分に明らかにされていない。台湾の土壌汚染を対象とした既往研究では,土壌汚染サイトへの指定によって対策事業が実施され,農地は汚染サイトから解除され,作付けを回復すること,対策事業は,客土や排土による汚染農地区画内の汚染の除去や希釈など対処療法的な方法であるため,周辺部への汚染拡散や汚染の再発生の懸念が残され,作付け意欲に影響を与えること,対策後の作付けの回復には,圃場整備事業の実施と営農環境の改善が重要であり,それらが被害農民の作付け継続意欲に影響を与えること,などが指摘されている。本研究では,これらの知見を踏まえ,統計的検証を行うために,以下の3仮説を設定した。(1)土壌汚染サイトへの指定は,対策後の長期休耕を抑制する要因になる。(2)土壌汚染の可能性への懸念と周辺汚染レベルの深刻さは,対策後の長期休耕を助長する要因になる。(3)周辺の作付け環境の衰退は,汚染サイトにおける対策後の長期休耕を助長する要因になる。さらに,土壌汚染地帯において,土壌汚染問題の影響を受けた農家と受けなかった農家の間で農業施策への需要が異なるか否かを検証するため,仮説(4)を立てた。(4)汚染サイトの指定を受けたことがある農家や,近い将来に農地が汚染される可能性があると思っている農家は,土壌汚染対策に関係する農業施策を必要とする。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.2750/arp.32.233
- ISSN : 0912-9731
- CiNii Articles ID : 130004705516
- CiNii Books ID : AN00386889