2016年7月
カキ(Crassostreagigas)の栄養成分分析による亜鉛循環の考察
広島県獣医学会雑誌
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- 巻
- 号
- 31
- 開始ページ
- 125
- 終了ページ
- 129
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
通常出荷カキの栄養成分の経時的分析を行った.広島湾,高梁川河口および鹿児島湾に棲息する野生カキの生身,殻および底質について亜鉛(Zn)濃度を測定し,カキ養殖環境のZn循環を考察した.2012年〜2015年に広島北部海域で養殖・出荷された通常出荷カキと幼若カキおよび、太田川放水路河口,高梁川河口および永田川河口の野生カキと周辺底質とを材料とし,生身,殻および底質のZnをICP発光分析法等で測定した.?Zn含有割合が他の栄養成分に先行増加した.?総エネルギーは幼若カキが通常出荷カキより高いが,ミネラルに占めるZnの含有割合は通常出荷カキが高かった.?底質Zn濃度は太田川放水路河口が高梁川河口より7.2 倍高かった.太田川放水路河口と高梁川河口の野生カキが含有するZn量に有意差はなく、高値であった.カキ生身のZn含有量では,野生カキの方が養殖カキより高かった.太田川放水路河口および広島湾北部海域の底質のZn濃度は高く,野生カキのZn含有量は棲息環境を反映した.
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