論文

査読有り
2011年7月

p57Kip2の免疫組織化学染色法が診断に有用であった全胞状奇胎の1例

日本産科婦人科学会神奈川地方部会会誌
  • 佐々木 康
  • 前田 雄岳
  • 遠武 孝祐
  • 徳中 真由美
  • 宮上 哲
  • 新城 梓
  • 吉江 正紀
  • 安藤 直子
  • 小川 公一
  • 高橋 諄
  • 国村 利明
  • 塩川 章
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48
1
開始ページ
22
終了ページ
25
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)
出版者・発行元
神奈川産科婦人科学会

35歳(1経妊1経産)。最終月経より無月経が持続したため近医を受診、妊娠5週2日目と診断されたが、6週2日目、7週2日目の再診時の経膣超音波では子宮内に胎嚢が確認されるも、卵黄嚢は確認できなかった。代わりに小さな塊が認められ、異常妊娠が疑われ、著者らの施設へ受診となった。所見では経膣超音波上、子宮内腔には出血を思わせる高輝度エコー腫瘤像がみられ、稽留流産7週や胞状奇胎が考えられた。そこで、子宮内容除去術を行ったところ、肉眼的には摘出物は明らかな胎児成分は認めず、病理組織診断においても水腫化した絨毛が確認されたものの、2mmを超える絨毛はなく、栄養膜細胞の増殖も軽度であった。以上、これらのことから本症例は顕微鏡的奇胎と診断された。だが、早期の全胞状奇胎も疑われたため、念のために再掻爬術を施行し、絨毛遺残のないことを確認後、hCGフォローの方針が行われた。その結果、hCGは順調に衰退し、娩出後9週目で陰性化した。

ID情報
  • ISSN : 0910-2485
  • 医中誌Web ID : 2012047019

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