2009年
在宅で療養する難病患者のヘルス・ケア向上にむけて--ある重症筋無力症患者のナラティヴから得られた知見
聖路加看護大学紀要
- ,
- 巻
- 号
- 35
- 開始ページ
- 37
- 終了ページ
- 44
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 聖路加看護大学
近年,医療研究者・実践者の注目を集めているナラティヴ・アプローチであるが,研究者・実践者の関心が治療を目的に患者のナラティヴを聴き取る“臨床のナラティヴ”に集中し,患者が“生活者”として現実社会で経験する“病い”の意味理解が十分に行われていないとの批判もある。筆者はある重症筋無力症患者の女性が,自身の在宅療養生活について語ったナラティヴを解釈し,療養生活の過程で彼女が経験した“病い”の意味理解を試みた。その結果,在宅療養中の彼女が,重症筋無力症の症状以上に,病気を周囲の人々に理解してもらうことの困難,身近に同病者の仲間が得られない孤独と不安,難病患者への社会保障の貧しさ,就労の困難,社会参加の機会が失われる疎外感といった“疾患”から派生する社会的障害に苦しんだことが理解された。稀少な難病のため在宅療養生活をおくる患者は,“疾患”の苦しみに加えて社会的弱者・少数者の苦しみを経験しており,難病
- リンク情報
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- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/40016581481
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN00130477
- URL
- http://id.ndl.go.jp/bib/10229005
- Jamas Url
- http://search.jamas.or.jp/link/ui/2009231465
- ID情報
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- ISSN : 0289-2863
- CiNii Articles ID : 40016581481
- CiNii Books ID : AN00130477