MISC

2008年

Vibrio parahaemolyticus が生産するキチン分解酵素の精製, 諸性質解析, クローニングおよびリコンビナント酵素のオリゴ糖生産への利用

Journal of applied glycoscience
  • 門倉 一成
  • 坂本 裕輔
  • 六谷 明子
  • 池上 孝紀
  • 平野 貴子
  • 山本 真広
  • 齋藤 香織
  • 袴田 航
  • 糸井 史朗
  • 杉田 治男
  • 奥 忠武
  • 西尾 俊幸
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55
2
開始ページ
157
終了ページ
164
記述言語
英語
掲載種別
DOI
10.5458/jag.55.157
出版者・発行元
日本応用糖質科学会

われわれが谷津干潟土壌より単離したVibrio parahaemolyticus KN1699株は,キチン分解によりヘテロ二糖 [β-N-アセチル-D-グルコサミニル-(1,4)-D-グルコサミン(GlcNAc-GlcN)] を生成するユニークな分泌性のキチン分解酵素系を有している.GlcNAc-GlcNの生成メカニズムを調べたところ,本ヘテロ二糖は,GHファミリー18キチナーゼ(Pa-Chi)の作用によるキチンからジ-N-アセチルキトビオース [(GlcNAc)2] の生成,続いてCEファミリー4キチンオリゴ糖デアセチラーゼ(Pa-COD)の作用による(GlcNAc)2の還元性末端側の糖の脱アセチル化により生成することを明らかにした.二つの酵素を利用してキチンから(GlcNAc)2とGlcNAc-GlcNを量産するために,大腸菌によるリコンビント酵素の大量調製について検討した.KN1699株のゲノムから分泌シグナル配列を含む各ORFのクローニングを行い,プラスミドを作製した後,大腸菌に導入した.これを用いて各リコンビナント酵素(Pa-rChi, Pa-rCOD)の発現を行った結果,各酵素を大量に発現させ,さらに培養液中に効率的に分泌させることに成功した.続いて,これら2種のリコンビナント酵素を用いたオリゴ糖生産について検討を行った.その結果,Pa-rChi分泌組換え大腸菌を2%キチン含有培地で培養することで,粉末キチンから(GlcNAc)2を収率60%で生産することに成功した.さらに,Pa-rCOD分泌組換え大腸菌から調製した粗酵素溶液を用いて,(GlcNAc)2からGlcNAc-GlcNを高収率で生産することができた.今後は,生産したGlcNAc-GlcNの機能性について解析する予定である.

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.5458/jag.55.157
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/80019649264
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA11809133
URL
http://id.ndl.go.jp/bib/9511290
URL
https://jlc.jst.go.jp/DN/JALC/00315316483?from=CiNii
ID情報
  • DOI : 10.5458/jag.55.157
  • ISSN : 1344-7882
  • ISSN : 1880-7291
  • CiNii Articles ID : 80019649264
  • CiNii Books ID : AA11809133

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