共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

ドラッグデリバリーシステム開発に向けた唾液エクソソームタンパク質の網羅的解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K10174
体系的課題番号
JP20K10174
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

エクソソームは新しい細胞間情報伝達システムとして注目されている。唾液中にもエクソソームが存在しており口腔内のみならず消化器の上皮細胞を通して全身に情報を伝達していると考えられる。さらには個体間の情報伝達も可能である。そのエクソソームに内包されている物質がどのようにしてレシピエント細胞(受容細胞)へ取り込まれていくのか不明な点も多い。本研究では新規ドラッグデリバリーシステム構築の足がかりとするため唾液エクソソームに着目して、その組成に関連した細胞間物質輸送システムを考察・解明することを目的としている。
令和3年度も前年に引き続きコロナ禍ではあったが、感染防止に努めながら僅かではあるが新たな唾液サンプル採取をすることができた。これまで蓄積してきた全唾液・唾液エクソソームサンプルと合わせて分析と精製の検討を行った。これにより、年齢層による唾液エクソソームの更なる相違点を明らかにすることができた。前年度の熟年期・青年期の唾液に加えて、小学生{9.0±1.81(標準偏差)歳}からも採取することができ、Total Exosome Isolation Regent (Invitrogen)を用いて調製(TEI)した結果、唾液1mL当たりのタンパク質濃度は約10μgと青年期女性唾液に比べて半分以下であった。一方、エクソソームの精製法を検討した。これまでに使用したことのない調製キットを試してみたが、検出限界以下であった。また、全唾液からペレットダウン超遠心法(PDUC)によるエクソソーム調製は安定的に行えるようになったが、エクソソーム外の唾液タンパク質の混入があり精製度に問題があった。これを解決するために200mL以上の凍結全唾液を用いて密度勾配超遠心法にチャレンジしたが、残念ながら良好なデータは得られなかった。そこでカラム法を併用した精製を試み、安定的なエクソソーム抽出に成功した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K10174
ID情報
  • 課題番号 : 20K10174
  • 体系的課題番号 : JP20K10174

この研究課題の成果一覧

講演・口頭発表等

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