講演・口頭発表等

2016年7月17日

長距離走選手における運動中の酸素摂取量と心拍出量の関係に及ぼす因子に ついての検討

第22回日本心臓リハビリテーション学会学術集会
  • 福田平
  • ,
  • 蔵野美葉
  • ,
  • 原英喜
  • ,
  • 松本晃裕

記述言語
日本語
会議種別
口頭発表(一般)
主催者
日本心臓リハビリテーション学会
開催地
東京

運動習慣のない健常者における運動中の心拍出量(CO)と酸素摂取量(VO2)は負荷強度の増量に対しともに直線的に増加するとの報告があるが、長距離走選手におけるこの関係性については未だ報告がない。そこで、男子大学生駅伝選手46名を対象に、トレッドミルによる症候限界性運動負荷試験を行い、ΔCO/ΔVO2((COmax-COrest) /(VO2max-VO2rest))と一回拍出量(SV)および心拍数(HR)の変化、安静時のCOとの相関を検討した。その結果、VO2max は77.0±4.9 ml/min/kgであり、COmaxは26.1±3.8l/minとなった。COはVO2に対して直線的に増加し、ΔCO/ΔVO2は3.1~7.1となった。ΔCO/ΔVO2は安静時のCO、HRの変化とは相関を認めなかったが、運動中のSVの変化量とは強い相関を認めた(r=0.77,p<0.001)。以上、ΔCO/ΔVO2は個人差を認めたが、長距離走選手においても運動負荷中にCOはVO2に対して直線的に増加したという結果は、安静時から最大運動時へのSVの変化量が主に関係していることを示唆している。