2004年2月
芭蕉五十回忌の美濃派(堀切実編『近世文学研究の新展開 ―俳諧と小説』
- 担当区分
- 単著
- 出版者・発行元
- ぺりかん社
- 記述言語
- 日本語
- 著書種別
寛保三年の芭蕉五十回忌を契機にして、俳壇に芭蕉復帰の機運が高まる。都市では其角・嵐雪の系統を継ぐ俳人や沾徳・沾洲系統の江戸座俳人、地方では涼莵・乙由の系統を継ぐ伊勢派俳人が芭蕉忌法要を営み、塚を建て、追善集を出版した。各地各派の芭蕉追善事業の先駆者は、支考の系統を継ぐ美濃派である。美濃派俳人は、洛東双林寺で芭蕉忌を年々営み、三月に支考の梅花碑とともに「墨直し」行事を行って追善している。こうした延長に芭蕉五十回忌を営み、全国各地から芭蕉追善発句と表八句を募集して『花供養』を出版した。その主催者は廬元坊であっ