共同研究・競争的資金等の研究課題

1997年 - 1997年

ナトリウム・ヨードシンポータの構造と機能の解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 重点領域研究  重点領域研究

課題番号
09257225
体系的課題番号
JP09257225
配分額
(総額)
1,800,000円
(直接経費)
1,800,000円

NIS(ナトリウム・ヨードシンポータ)によるイオン輸送のstoiciometryの解析のより、各陰イオン1分子と共役して輸送されるナトリウムイオン分子数は、3(SCN^-)、2(I^-)、1(CIO_4^-)であることを電気生理学的・生化学的手法により明らかとした。
ヨード濃縮障害患者よりNIS遺伝子変異を初めて同定した。患者はThr354→Pro(ACA→CCA)のhomozygoteであった。変異部位は第9膜貫通部位の中央部であった。この変異は正常者81人には存在せず、heterozygoteであることが確認された患者の娘は甲状腺機能正常で、甲状腺腫もなく、劣性遺伝性疾患であることが裏付けられた。野生株と変異株(T354P)の発現ベクターを作成し、COS-7細胞にトランスフェクションした。変異NISを持つ細胞はヨード取り込みが著しく低下しており、疾患の直接の病因であることが証明された。しかし、コントロール細胞と比較すると、パークロレ-卜感受性のヨード取り込み能が僅かながら(野生株NISを発現した細胞の約0.4%)残っていた。Northern解析及びWestern解析ではNISメッセージ及びNIS蛋白は正常甲状腺と比較し著しく増加していた。ヨード濃縮障害では大量のヨードを摂取することにより、甲状腺機能が代償されることが知られている。弱い活性を有した変異NISがoverexpressionされることがその代償機構となっている可能性がある。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-09257225
ID情報
  • 課題番号 : 09257225
  • 体系的課題番号 : JP09257225