1998年 - 1999年
大強度パルスイオンビームによる超高硬度材料の創製
日本学術振興会 科学研究費助成事業 萌芽的研究 萌芽的研究
我々が世界で初めて提案した大強度パルスイオンビーム蒸着法(Ion Beam Evaporation:IBE)を用いて、超高硬度材料の創製を、特に薄膜化の観点から研究し、下記の成果を得た。作成を試みた材料は、β-C_3N_4、B_4C、Ti-Al金属間化合物等の超硬度材料である。
1)大強度パルスイオンビーム(Light Ion Beam:LIB)をメラミン樹脂ターゲットに照射して高密度プラズマ化し、隣接する基板(Si)上に堆積を試みた。成膜速度は5nm/ショットである事、基板温度を上昇するとCNの三重結合が成長する事、温度上昇と共に窒素の含有量が増大する事、硬度は1GPaである事、薄膜表面のモフォロジーは極めて良好である事、等が判明した。真空中で、基板加熱の有無に関わらず、CN薄膜化に成功した事は世界で初めてである。
2)LIBをB_4Cターゲットに照射し、Si(100)基板上に成膜を試みた。薄膜のフーリエ赤外吸収分光による化学結合状態は、B_4C標準資料と同じスペクトルを示し、X線回折ではB_4C構造で結晶化している。ビッカーズ硬さは16GPaで、硬質材料として十分な硬度であり、モフォロジーが良く、剥離の無い、硬質薄膜の作成に成功した。
3)LIBをTi-Al合金ターゲットに照射し、基板(ガラス又はSi)上に成膜を試みた。真空中、基板加熱無しで、Ti_3Al膜が作成され、(002)面に配向する事、基板加熱すると(002)面への配向性が強くなる事、等が判明した。
1)大強度パルスイオンビーム(Light Ion Beam:LIB)をメラミン樹脂ターゲットに照射して高密度プラズマ化し、隣接する基板(Si)上に堆積を試みた。成膜速度は5nm/ショットである事、基板温度を上昇するとCNの三重結合が成長する事、温度上昇と共に窒素の含有量が増大する事、硬度は1GPaである事、薄膜表面のモフォロジーは極めて良好である事、等が判明した。真空中で、基板加熱の有無に関わらず、CN薄膜化に成功した事は世界で初めてである。
2)LIBをB_4Cターゲットに照射し、Si(100)基板上に成膜を試みた。薄膜のフーリエ赤外吸収分光による化学結合状態は、B_4C標準資料と同じスペクトルを示し、X線回折ではB_4C構造で結晶化している。ビッカーズ硬さは16GPaで、硬質材料として十分な硬度であり、モフォロジーが良く、剥離の無い、硬質薄膜の作成に成功した。
3)LIBをTi-Al合金ターゲットに照射し、基板(ガラス又はSi)上に成膜を試みた。真空中、基板加熱無しで、Ti_3Al膜が作成され、(002)面に配向する事、基板加熱すると(002)面への配向性が強くなる事、等が判明した。
- ID情報
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- 課題番号 : 10875134
- 体系的課題番号 : JP10875134