共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

介護へのフィードバックを目指したオーダーメイド粘度可変型栄養剤の調製条件探索

文部科学省  科学研究費補助金(基盤研究(C))  基盤研究(C)

課題番号
20K12770
体系的課題番号
JP20K12770
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

COVID-19の感染拡大が止まらず、当初計画通りの研究が令和3年度も進められなかった。このような状況下でも昨年度に引き続き、「タンパク含有濃厚栄養剤が人工胃液により凝固する」要因調査を進めた結果、「乳タンパク」を原料とする濃厚栄養剤単体はpH1.2の人工胃液で顕著に凝集することが判明した。この原因として、濃厚栄養剤に含まれた乳タンパクの主成分であるカゼインに着目した。カゼインを構成するセリン残基にはリン酸が結合しており、そのリン酸にはCaイオンやNaイオンが結合している。その等電点は約4であることから、ここへpH1.2の人工胃液(希塩酸)が作用すると、これらイオンが遊離すると共に乳タンパクのミセル構造が崩壊し、結果、凝集すると考えた。
一方、濃厚栄養剤に含まれる乳タンパクには前述したようにリン酸を介してCaイオンが結合している。このCaイオンはpH粘度可変型栄養剤の自己調製に用いたアルギン酸ナトリウム(凝固剤)と容易にイオン交換・架橋することが実験の結果判明し、自己調製したpH粘度可変型栄養剤の粘度は原料である濃厚栄養剤の種類、すなわち乳タンパクの含有量に応じて変化することを見出した。
以上の結果をもとに、複数の液体栄養剤と重合度やマンヌロン酸/グルロン酸(M/G)比の異なる種々のアルギン酸ナトリウム凝固剤とを組み合わせてpH粘度可変型栄養剤を自己調製し、人工胃液との反応状況を調査した。さらに、自己調製したpH粘度可変型栄養剤のカテーテル通過時の滞留や残留、詰まり等の発生要因を経腸栄養ポンプ(購入設備)を用い、音叉振動式レオメーター(購入設備)による粘度測定結果とテクスチャーアナライザー(現有設備)により解析したテクスチャー各指標をパラメータとして、相関を調査した。なお、これら研究は現在進行中である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K12770
ID情報
  • 課題番号 : 20K12770
  • 体系的課題番号 : JP20K12770

この研究課題の成果一覧

論文

  1

MISC

  3

講演・口頭発表等

  3