1996年9月15日
ウンシュウミカンの生殖器官における ABA, IAA および GAs 含量の変化
園芸学会雑誌
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- 巻
- 65
- 号
- 2
- 開始ページ
- 237
- 終了ページ
- 243
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.2503/jjshs.65.237
- 出版者・発行元
- 園芸学会
温州ミカンの生殖器官の内生植物ホルモンの生理的役割を明らかにするため,アブシジン酸(ABA),インドール酢酸(IAA)およびジベレリン(GAs)を,それぞれ,ガスクロマトグラフ(GC)電子捕獲型検出器,GC一質量分析器(選択的イオンモニタリング)およびわい性イネ生物検定で測定した.<BR>1,開花にむけて,花柱と雄ずいのIAA濃度は変化しなかったが,花柱のABA濃度は6倍に増加した.幼果の新鮮重量は39DAF(開花後日数)まで,非常に増加し,'がく'(花盤,がく,花床を含む)はわずかに増加した.<BR>2,4DAFに,幼果は本実験中で最大のABA濃度のピークを示したが,7DAF以降は'がく'よりも低い値であった.幼果のIAA濃度は,7DAFに最高に達して,その後は低下し続けた.'がく'のIAA濃度は,0から31DAFまで増加し,15DAF以降は幼果よりもはるかに高い値であった.<BR>3,幼果のGAs濃度は,7から31DAFまで増加し続け,39DAFに急に低下した.<BR>4,このように幼果で,一連の内生ABA,IAAおよびGAs量のピークがあったので,これらホルモンが,順次におよび共働的に,幼果の保持と生長に役割をはたしていると思われる.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.2503/jjshs.65.237
- ISSN : 0013-7626
- CiNii Articles ID : 10006099952
- identifiers.cinii_nr_id : 9000001458162
- SCOPUS ID : 0030498173