2001年
ウシにおける脳脊髄液と血漿のグルコース、窒素代謝産物およびミネラル濃度の関係
日本畜産学会報
- ,
- 巻
- 72
- 号
- 10
- 開始ページ
- J557-J563
- 終了ページ
- 563
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.2508/chikusan.72.10_557
- 出版者・発行元
- Japanese Society of Animal Science
ウシの脳脊髄液(CSF)性状を検討するため,61頭から腰椎部あるいは大槽(小脳延髄槽)の穿刺によってCSFと,頸静脈血を採取し,グルコース,尿素,尿酸,クレアチニン,Na,Cl,K,Ca,無機リン(Pi),Mgを分析した.健康牛のほか患畜も用いたが,中枢神経疾患例は除外した.両部位を穿刺した18頭によると,腰椎部のCSFでは尿素とクレアチニン濃度が小脳延髄槽より高く,グルコースと尿酸も同様な傾向を示したが,ミネラル濃度には部位による差がなかった.CSFのグルコースは血漿よりも低く,血漿の約65%であった.CSFのClは血漿の約1.2倍の濃度を示し,CSFのNaも血漿濃度より高かった.CSFのK,PiおよびMgは血漿濃度の変動に関係なく狭い範囲に維持され,とくにPiとKで顕著であった.CSFの尿素は血漿濃度に比例的であったが,尿酸とクレアチニン濃度は血漿濃度に関係なく狭い範囲に維持された.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.2508/chikusan.72.10_557
- ISSN : 1346-907X
- CiNii Articles ID : 130000742363