2019年5月
ラット歯髄細胞のdentinogenesisに及ぼすoxytocinの影響について
日本歯内療法学会雑誌
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- 巻
- 40
- 号
- 2
- 開始ページ
- 103
- 終了ページ
- 110
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 日本歯内療法学会
ラットの歯髄組織を用いて、dentinogenesisに及ぼすoxytocin(OT)の作用とWntシグナルとの関係を形態学的、生化学的に分析した。10週齢のメスSDラット20匹を使用した。対照群として石灰化培地のみで培養したグループ(Control群)、10^-9Mのoxytocinを添加したグループ(OT群)に分けて培養した。Control群に比較してOT群では石灰化結節の数と大きさが増加していた。OT受容体(OTR)の免疫組織化学的染色の結果、培養歯髄細胞に茶色く発色している抗OTR抗体の局在が細胞膜にみられ、細胞表面が染色された細胞が確認できた。陰性コントロールでは反応はみられなかった。また、ラット下顎の第一大臼歯の歯髄組織において、茶色に発色した抗OTR抗体が歯髄細胞と象牙芽細胞に認められ、Control群に比較してOT群では歯髄細胞でのDsppとBgpの発現が有意に増加していた。さらに、Wnt10aの発現はOT群で有意に増加しており、細胞内でのカノニカル経路に関連するAxin22、Lef-1とEctodinの発現はControl群に比較してすべてOT群で有意に増加していた。
- ID情報
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- ISSN : 1347-8672
- eISSN : 2423-9429
- 医中誌Web ID : 2019278870