共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2020年3月

次世代シークエンサーを用いた急性脳炎・脳症診断への新たな取り組み

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
16K11402
体系的課題番号
JP16K11402
配分額
(総額)
4,680,000円
(直接経費)
3,600,000円
(間接経費)
1,080,000円

急性脳脊髄炎・脳症の原因には、ウイルス・細菌性感染、免疫介在性などの原因が知られている。しかしながら原因の特定できない症例も多く、その確定診断は重要な課題である。当施設でも2002年~2018年までに84例の急性脳脊髄炎・脳症症例が入院となった(術後髄膜炎は除く)。平均年齢は44歳、男性52例、女性32例。このうち細菌性髄膜炎が20例、ウイルス性脳炎が疑われる症例が18例、免疫介在性脳炎・脳症が7例、真菌性2例、結核性1例、原因不明が36例であった。ウイルス性、細菌性と診断した症例の中でも起因となる病原体が特定できた症例は極めてまれである。本研究ではこれらの84例の急性脳脊髄炎・脳症の症例のうち18例の髄液を採取し、高速度シークエンサーを用いたメタゲノム解析を行うことにより原因病原体の同定を予定している。この測定系を確立するためにまず術後髄膜炎と診断した9例の髄液を採取しその測定を行った。しかしながら、髄液を用いたメタゲノム解析の測定系の調整に時間を要しており、次年度中に18例の急性脳脊髄炎・脳症の髄液を用いた高速度シークエンサーによるメタゲノム解析結果を出す予定である。この測定系が確立し、原因が不明であった急性脳脊髄炎・脳症の原因微生物が同定されれば、急性脳脊髄炎・脳症の新たな診断方法の確立と治療法開発につながると考える。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16K11402
ID情報
  • 課題番号 : 16K11402
  • 体系的課題番号 : JP16K11402