論文

査読有り
2021年5月

水中ウォーキングが高齢者の血圧に及ぼす効果

日本温泉気候物理医学会誌
  • 河野洋志
  • ,
  • 近藤照彦
  • ,
  • 日向裕二
  • ,
  • 武田淳史

84
2
開始ページ
81
終了ページ
86
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)
出版者・発行元
(一社)日本温泉気候物理医学会

水中ウォーキングは、浮力や抵抗、水圧、水温等の水の物理的特性が関与し、関節への負担軽減や筋力向上等に有効とされている。しかし、高齢者の血圧変動に関しては一定の見解が得られず不明確である。そこで、高齢者への水中ウォーキングが血圧に与える影響を探った。対象は介護予防教室に通う女性48名とし、初回の血圧測定値から高血圧の診断基準に沿って、高血圧群27名と対照群21名に分けた。両群とも、準備体操10分間、水中ウォーキング(前歩き、後ろ歩き、横歩き)15分間、休憩を10分間挟み、再び10分間歩いた。これを週1回の頻度で5週間行った。測定項目は収縮期血圧、拡張期血圧、心拍数、平均血圧を測定した。結果として高齢者に対する水中ウォーキングは、高血圧群において1週間後より収縮期血圧が、3週間後より拡張期血圧と平均血圧が有意に低下することが明らかになった。対照群においては有意な変化は認められなかった。一方、水中ウォーキング前後の即時効果の比較では、対照群で水中ウォーキング後に収縮期血圧と拡張期血圧が有意に上昇し、心拍数は低下した。高血圧群においては数値の改善が見られた5週間後に対照群と同様に収縮期血圧と拡張期血圧が有意に上昇し、心拍数は低下した。以上のことより、高齢者に対する水中ウォーキングは高血圧の診断基準に該当する者に対しては継続的に行うことで血圧を低下させるが、高血圧でない者が行う場合は水中ウォーキングを実施すると即時的に血圧が上昇するため、体調等に留意しながら実施することが必要であることが示唆された。(著者抄録)

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ID情報
  • ISSN : 0029-0343
  • eISSN : 1884-3697
  • 医中誌Web ID : 2021260979

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