共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2019年3月

発展途上国のクリーン燃料普及による室内空気汚染改善の可能性:ミクロ計量分析

日本学術振興会  科学研究費助成事業  挑戦的萌芽研究

課題番号
16K13364
体系的課題番号
JP16K13364
配分額
(総額)
3,380,000円
(直接経費)
0円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

室内空気汚染問題について、ブータン及びインドのデータの農村部のデータを用いて分析をした。ブータンについては、テレビ所有がクリーンエネルギー普及に与える影響を分析した。テレビの所有の内生性をとらえるため操作変数を用いた推定を行った。分析の結果、テレビ所有がクリーンエネルギー選択に正の影響をもたらすことを示した。インドの農村部についても実証分析を行った。ここでは、調理を行う人の持つ、薪炭材等の固形燃料の使用がもたらす健康被害に対する主観的確率(Subjective Probability)に注目し、実証研究を行った。その結果、主観的確率が燃料選択に一定の影響を及ぼすことが示された。発展途上国の農村部ではバイオマスの固形燃料(薪炭材等)に頼っており、室内空気汚染による深刻な健康被害を引き起こしている。この問題はクリーン燃料(電気、LPG、高効率かまど)への転換で解決可能であるが、その促進が進まない。アジアでも、ブータンやインドでも課題となっている。ブータンでのデータを用いた分析により、テレビを通じた情報提供が、薪炭材利用がもたらす健康被害に関する知識の普及が、クリーンエネルギーを促進する可能性を示した。これは室内空気汚染問題解決の一つの方向性を示すものであり、社会的な意義があると考えられる

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16K13364
ID情報
  • 課題番号 : 16K13364
  • 体系的課題番号 : JP16K13364