MISC

2012年5月

S状結腸間膜の平滑筋肉腫の1例

臨床放射線
  • 加藤 仁美
  • ,
  • 君塚 孝雄
  • ,
  • 長谷川 弘
  • ,
  • 京極 伸介
  • ,
  • 佐伯 春美
  • ,
  • 泉 浩
  • ,
  • 野島 美知夫
  • ,
  • 桑鶴 良平

57
5
開始ページ
647
終了ページ
650
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
金原出版(株)

53歳女。下腹部痛を主訴とした。造影CTで骨盤部に一部不整な充実成分を持つ嚢胞性腫瘤を認めた。嚢胞部分の壁は薄く、充実成分に軽度の造影効果が不均一にみられた。MRIで嚢胞部分は多房性で、T1強調像で低信号、T2強調像で軽度〜強い高信号を示した。充実部分はT1強調像で低信号、T2強調像で軽度低信号、脂肪抑制併用Gd造影T1強調像で不均一な造影効果を示した。CT、MRI上では正常卵巣は確認できなかった。卵巣癌と診断し、腫瘍摘出術を施行した。術中、腫瘍はS状結腸間膜に存在し、嚢胞成分と充実成分を含む12cm大であった。S状結腸に接しており、結腸と共に摘出した。組織学的には短紡錘形〜紡錘形細胞が密に増生し、部分的に紡錘形細胞が上皮様配列を示していた。免疫染色では、紡錘形細胞はα-SMAとvimentin、上皮様配列を示す部分はdesminとAE1/AE3が陽性であった。腫瘍は浸潤性に発育し、脈管侵襲が認められた。以上より、平滑筋肉腫と診断した。

ID情報
  • ISSN : 0009-9252
  • 医中誌Web ID : 2012339695

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