共同研究・競争的資金等の研究課題

2005年 - 2006年

非接触測定法による衝撃波を含む遷音速ディフューザ流れの三次元非定常構造の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業  若手研究(B)

課題番号
17760146
体系的課題番号
JP17760146
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
3,400,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

本年度は,昨年度レーザー誘起蛍光法で取得した遷音速ディフューザ内の三次元マッハ数分布の妥当性を評価するため,ナビエーストークスを基礎方程式とした数値シミュレーションを行った.乱流モデルには,研究代表者の過去の研究で垂直衝撃波/境界層流れにおいて実績のあるk-ω二方程式モデルを用いた.数値シミュレーションでは,流れの領域を複数に分割して,MPI(Massage Passing Interface)により並列計算を実施し,解の収束の高速化をはかった.さらに,数値シミュレーション結果のチェックに用いる壁面圧力分布の測定や油膜法による壁面上の流れパターンの可視化を行った.
数値シミュレーション結果は,レーザー誘起蛍光法で取得した三次元マッハ数分布,壁面圧力分布,油膜法による壁面上の流れパターンのすべての実験結果と良く一致した.さらに,シミュレーション結果を詳細に考察すると,衝撃波足下から三次元的な渦が発生していることが分かった.この渦の発生機構を解明するため,シミュレーション結果から流れ方向の圧力勾配を求め,ディフューザコーナー部の衝撃波構造を数値的に可視化した.その結果,ディフューザコーナー部では三次元的で複雑な衝撃波構造が存在していることがわかった.この三次元衝撃波構造は,研究代表者が過去に行った一定断面積矩形ダクト内の垂直衝撃波/境界層干渉流れにおいて観測されたものとは異なっており,広がり角がある矩形ダクト特有のものであることがわかった.この衝撃波構造をもとに流れをモデル化し,考察することで衝撃波足下における三次元渦の発生機構を明確に説明できた.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17760146
ID情報
  • 課題番号 : 17760146
  • 体系的課題番号 : JP17760146