2019年5月25日
アカアマダイ卵・仔稚魚の東シナ海から宮崎県沿岸域への輸送に関する粒子追跡実験
水産海洋研究
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- 巻
- 83
- 号
- 2
- 開始ページ
- 93‐103
- 終了ページ
- 103
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)
- DOI
- 10.34423/jsfo.83.2_93
- 出版者・発行元
- 一般社団法人 水産海洋学会
<p>東シナ海由来のアカアマダイ卵・仔稚魚の宮崎県沿岸域への輸送過程を,海洋同化システムの再解析値を用いた粒子追跡実験により調べた.主産卵季・産卵場である秋季・東シナ海陸棚縁辺から輸送される粒子のうち,平均的な着底時期とされる45日目に宮崎県沿岸域に到達したのは全体の0.01–0.7%で,その約90%が大隅海峡を経由,トカラ海峡経由は約10%であった.宮崎県への到達粒子数は,大隅海峡を通過する粒子数と有意な正の相関があったが,大量に到達する事例には黒潮小蛇行に伴う大隅分枝流の減速が関係していた.宮崎県沿岸に到達しなかったものを含め,太平洋側に出た粒子は全体の10.8%,日本海側に出た粒子は1.5%であり,88%は東シナ海に留まった.これらの結果より,東シナ海のアカアマダイは域内で再生産しつつ,日本沿岸に仔稚魚を供給していること,宮崎県沿岸に対しては大隅海峡が主要な輸送経路であることが示唆された.</p>
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.34423/jsfo.83.2_93
- ISSN : 0916-1562
- J-Global ID : 201902279867773117
- CiNii Articles ID : 130007991947
- CiNii Books ID : AN10063434