2018年9月22日
組織文化研究の多様性
2019年度組織学会年次大会
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 口頭発表(招待・特別)
- 主催者
- 組織学会
- 開催地
- 小樽商科大学
組織科学は、経営学・社会学をはじめとした学際的なアプローチによって組織という対象の複雑性に迫る必要がある。しかしながら、果たして近年の『組織科学』は、その役割を適切に果たすことができているであろうか。本報告では経営学と社会学が「再会」し、再び「組織とは何か」という根底に帰る地点として「組織文化」研究に焦点を当てる。組織研究が多様であるように、組織文化研究も多様性に満ちている。組織研究の多様性を1979年に明らかにしたのが、G.バーレル=G.モーガンによる著作(Burrell & Morgan, 1979)であることは組織研究者にとって共有されている。しかしながら、彼らは主観-客観、レギュレーション-ラディカル・チェンジという2軸をクロスさせながらも、主観的かつラディカル・チェンジの組織研究が未だ萌芽的な段階にあることを示唆していた。それらは「反組織論(anti-organization theory)」という名称でその可能性を秘めつつも、当時の社会学に基づく組織研究においては皆無であることを指摘していた。本報告では、彼らの図式の重要性を再確認しながら、ありうる組織文化研究の可能性を明らかにする。