2010年3月
韓国語における他動性--プロトタイプ理論から見たカテゴリーの内部構造と非規範的構文
大阪大学大学院文学研究科紀要
- 巻
- 50
- 号
- 開始ページ
- 91
- 終了ページ
- 152
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(大学,研究機関等紀要)
- DOI
- 10.18910/3573
- 出版者・発行元
- 大阪大学大学院文学研究科
本稿の目的は概ね次の三点である。(ⅰ)プロトタイプ理論に基づく他動性の記述枠組みを提案する。(ⅱ)韓国語の他動性をこの枠組みを用いてその全体像を記述し, この枠組みの有効性を示す。最終的に,( ⅲ)他動性の多様なカテゴリーの内部構造を明らかにし, 特に非規範的構文の成立を動機付けている述語タイプ(またはスキーマ)を特定することを目指す。本稿では, 従来のように個々の他動詞節・自動詞節を考察の対象とするのではなく, むしろロッシュらが行ったような名詞類のカテゴリー化とパラレルな関係での, 家族的類似性の概念を基盤にしたプロトタイプ観を導入する。即ち, 基本レベルのカテゴリーを認め, その上位カテゴリーとしてMAKE,CAUSE, GIVE/GET, HAVE, ACT/ACT ON, MOVE, BECOME, BE などの述語タイプを導入し(cf. Pulman1983 , Taylor 2003 ), それぞれのスキーマを提案する。本稿のアプローチから, 韓国語の非規範的他動詞構文(非意図的事象の他動詞構文, 無生物主語の他動詞構文, 同族目的語構文, 軽動詞構文, 二重対格構文など)の成立には, 主としてMAKE スキーマとHAVE スキーマの二種類が関与することが明らかになる。
- リンク情報
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- DOI
- https://doi.org/10.18910/3573
- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/40017056398
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA11430583
- 共同研究・競争的資金等の研究課題
- アジア諸言語における他動性と非規範的構文に関する記述的・理論的・実証的研究
- URL
- http://id.ndl.go.jp/bib/10641121
- ID情報
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- DOI : 10.18910/3573
- ISSN : 1345-3548
- CiNii Articles ID : 40017056398
- CiNii Books ID : AA11430583