2011年4月 - 2013年3月
二種類の活性結合を持つ新しい金属/ケイ素錯体の反応性の解明と触媒への応用
日本学術振興会 若手研究(B)
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
-
- (総額)
- 4,680,000円
- (直接経費)
- 0円
- (間接経費)
- 0円
- 資金種別
- 競争的資金
金属錯体を用いた有機ケイ素化合物の変換反応(ヒドロシリル化反応など)は,有機合成に広く利用されている。この反応では,ケイ素–典型元素結合の形成・切断が錯体触媒によって促進されており,鍵中間体として金属/ケイ素錯体を経由すると仮定されている。したがって,金属/ケイ素錯体の反応性を詳細に解明する基礎研究は,その成果が有機ケイ素化合物の合成に関する応用研究の発展に直結するので,学術的意義が大きい。
申請者らは最近,ケイ素と二つの芳香環炭素の三つの原子がη3-型で金属に配位する新しい結合様式を持つ金属/ケイ素錯体,すなわち,η3-α-シラベンジル錯体の合成と構造解析に成功した。当該錯体の反応の予備的な研究から,基質の種類および中心金属に依存して,(A)Si–C結合切断(シリレン錯体の生成),あるいは,(B)芳香環炭素の解離(シリル錯体の生成)が起こる特異な反応が進行することがわかった。本研究では,シラベンジル錯体の反応性の研究を発展させるとともに,その結果を応用し同錯体を触媒とした有機ケイ素化合物の新しい合成法を開発することを目指す。
申請者らは最近,ケイ素と二つの芳香環炭素の三つの原子がη3-型で金属に配位する新しい結合様式を持つ金属/ケイ素錯体,すなわち,η3-α-シラベンジル錯体の合成と構造解析に成功した。当該錯体の反応の予備的な研究から,基質の種類および中心金属に依存して,(A)Si–C結合切断(シリレン錯体の生成),あるいは,(B)芳香環炭素の解離(シリル錯体の生成)が起こる特異な反応が進行することがわかった。本研究では,シラベンジル錯体の反応性の研究を発展させるとともに,その結果を応用し同錯体を触媒とした有機ケイ素化合物の新しい合成法を開発することを目指す。