2018年
プロセス安全に関するリスクコミュニケーションの実態
安全工学
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- 巻
- 57
- 号
- 5
- 開始ページ
- 346
- 終了ページ
- 353
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.18943/safety.57.5_346
- 出版者・発行元
- 安全工学会
本稿は,日本のプロセス安全に関するリスクコミュニケーションの実態を報告した.具体的には,化学企業が発行するCSR レポートや行政による研究実践活動,地域対話の内容を整理することで,これまでのリスクコミュニケーション活動を調査した.また,過去発生した事故の報道調査により,事故件数や被害状況を調査した.実態調査の結果,地域社会のステークホルダーによるリスクコミュニケーションという視点が不足していることがわかった.また報道調査結果より,工場敷地外に影響を及ぼす事故が年間1 回程度の頻度で発生していることが明らかとなった.当該リスクに対応するためには,化学企業だけではなく行政や地域住民等の地域社会のステークホルダーによる双方向コミュニケーションを通して,フィジカルリスクを地域社会としてマネジメントすることが必要である.したがって,平時から地域社会のステークホルダーがフィジカルリスクに関するコミュニケーション活動を実施することが望まれる.
- ID情報
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- DOI : 10.18943/safety.57.5_346
- ISSN : 0570-4480