MISC

2002年1月

従来型抗精神病薬からquetiapineへの切り替えについて

臨床精神薬理
  • 宮本 歩
  • ,
  • 山田 恒
  • ,
  • 長尾 喜代治
  • ,
  • 長尾 喜一郎
  • ,
  • 芳野 浩樹
  • ,
  • 長尾 喜八郎

5
1
開始ページ
71
終了ページ
80
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)星和書店

精神分裂病21名に対して,服用中の従来型抗精神病薬をquetiapineに変更することを試みた.患者はBPRS総得点は26.9±6.5と,ほぼ緩解状態にあるか軽度の精神症状で,Quetiapine50〜75mg/日を上乗せした後,1〜2週間後に200〜300mg/日に増量し,従来型抗精神病薬を漸減中止する,「重複・漸減法」を19名に,quetiapineの上乗せ期間は設けず従来型抗精神病薬を中止後,quetiapine25〜50mg/日を開始する方法を2名に実施した.その結果,コリン性及びドパミン性のリバウンドは認めず,BPRS,PANSSにおいて全体としては有意な変化はみられなかったが,前治療薬の全般改善度が軽度改善以下の14名についてはquetiapine投与8週後にBPRSとPANSSの総得点・陽性尺度において有意な低下が認められた.21名全例抗パーキンソン薬の併用は不要となり,血中プロラクチン濃度は正常となった.副作用としては,2名において無月経が,1名において乳汁分泌の消退があった.以上のことより,精神分裂病の治療において,従来型抗精神病薬からquetiapineに切り替えることは有用であると考えられた

ID情報
  • ISSN : 1343-3474
  • 医中誌Web ID : 2002143346

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