2008年
2002-2007年における当院市中肺炎入院症例の臨床的研究
岡大三朝医療センター研究報告
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- 巻
- 76
- 号
- 76
- 開始ページ
- 12
- 終了ページ
- 17
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 岡山大学医学部・歯学部附属病院三朝医療センター
2002年4月〜2007年3月に著者等の施設に入院した市中肺炎症例109名142例(30〜90歳・平均74.8歳、男性72名102例、女性37名40例)の臨床像を明らかにし、日本呼吸器学会「2007年成人市中肺炎診療ガイドライン」(ガイドライン)による市中肺炎の重症度分類の妥当性について検討した。その結果、年齢別では65歳未満26例・65〜75歳未満30例・75歳以上86例で、肺炎重症度は軽症21例・中等症99例・重症17例・超重症5例であった。抗菌薬の選択に関して軽症では21例中19例・中等症では99例中92例・重症では17例中16例がガイドラインに準じていたが、超重症例では全例で準じていなかった。平均入院日数は軽症28.4日・中等症39.9日・重症48.5日・超重症45.2日であり、死亡例は中等症7例・重症4例・超重症3例の計14例で平均81.8歳であった。重症度が悪化するにつれて、高齢・BUN高値・低酸素血症・意識障害・低血圧の頻度が増加傾向にあり、79例で慢性呼吸器疾患を合併しており、それらの症例では有意に呼吸器関連死亡が多かった。以上より、本ガイドラインは日本の肺炎の重症度別症例解析に適していると考えられた。
- ID情報
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- ISSN : 1348-1258
- 医中誌Web ID : 2008264302